お子さんの歯の色がおかしい、ということで来院されるケースというのが時々あります。
その場合に考えられる原因はいくつかあり、それぞれによって対処法が異なります。今回はお子さんの歯の変色ついて、原因、対処法とともにご紹介します。
子供の歯の変色でよくある原因
お子さんの歯の変色でよくある原因として、次のようなものがあげられます。
永久歯の色
こちらは永久歯が生え初めの頃によくご相談を受けることが多いですが、単に乳歯の色よりも永久歯が黄色味を帯びているので永久歯がやけに黄色く見えてしまう、というケースです。ですが、これは異常ではありませんので全く問題はありませんし、次第に永久歯へと変わっていくにつれて気にならなくなっていきます。
歯の神経が死んでいる
主に前歯で見られますが、歯が一本だけ黒ずんでいる、というような場合、その歯を過去に強くぶつけるなどして歯の神経が死んでしまい、その影響で色が変わっているケースです。小さい子供はよく転ぶので、気がつかない間にいつの間にかぶつけていることもよくあります。
変色している歯が乳歯の場合、特に症状がなければ生え替わりまで様子を見守ることが多いですが、化膿して膿を溜めている場合には、奥に控えている永久歯への影響を考えて早めに抜歯をすることもあります。
エナメル質形成不全
歯の一番外側の層であるエナメル質の形成に問題がある場合です。遺伝性のものは全体的に歯の形や色に異常が現れますが、多いのは遺伝性ではないタイプのもので、歯が骨の中で作られている段階でなんらかの障害が起こる場合です。
例えば、栄養不足の問題、高熱が出る病気、ある種の抗生剤の服用、大量のフッ素摂取などが影響している場合もあれば、乳歯を強くぶつけて永久歯がダメージを受けた、乳歯の歯根に膿が溜まった、というような場合もあります。このような場合には、一本単位で歯の一部が白っぽく、もしくは黄色や茶色に変色するという形で起こります。
このような歯は、虫歯に対する抵抗性が弱いと考えられるため、ブラッシングをしっかり行いながら様子を見ることもありますが、見た目が気になる場合には、変色した部分のみ削って樹脂を詰めるといった方法で対処することも可能です。
このように、お子さんの歯の変色の原因は様々ですが、永久歯の病的な変色の原因として、乳歯の虫歯が関わっている場合も多いため、このようなことをできるだけ避けるためにも、乳歯の頃から歯のケアをしっかりとしていくことがとても大切です。