歯磨きは、歯の健康を保つために必要なものです。
ですが、ただ磨けば良い、というものではありません。歯磨きを一生懸命することは良いことではありますが、実は一生懸命歯磨きをやる人ほど、歯のトラブルを感じがち、ということがあります。
今回は、歯にダメージを与えるような磨き方についてご紹介します。
歯の間違った磨き方とその悪影響
1.歯ブラシが大きすぎる
大きな毛先の歯ブラシは一度に広い範囲を磨けますが、細かい部分を磨きづらいので、磨き残しが出てしまいがちです。
2.毛先が開いた歯ブラシを使い続けている
歯ブラシは使ううちに毛先が広がりますが、毛先の開いた歯ブラシでは、汚れを落とす効率がかなり落ちてしまいます。そのため、磨いていても歯垢がしっかりと落ちずに虫歯や歯周病になってしまう可能性があります。
3.硬い歯ブラシを使っている
毛の硬い歯ブラシを使うとよく磨けているような気がするかもしれませんが、硬めの歯ブラシを使うと、その分歯が削れやすくなり、歯茎も傷つきやすくなります。
4.歯を磨く時に力が入っている
一生懸命磨くと、力が入りがちですが、力が入ると、歯と歯茎を逆に傷めてしまいます。その結果、歯茎が下がって冷たいものがしみる「知覚過敏」を起こしたり、歯が長く見えて審美性を損ねてしまったり、露出した歯根に虫歯ができやすくなったり、というようなことが起こりやすくなります。
5.磨く回数が多過ぎる
歯というのは磨きすぎもよくありません。磨く回数が多いほど、歯や歯茎にもダメージが加わることになります。
6.食べた後にすぐに磨いている
糖質を摂ると口腔内細菌が分解することで酸が発生し、歯が溶かされ始めてミネラルが外に出てしまいます。しかし、唾液の作用で徐々に中和され、唾液中のミネラルが歯に再沈着していきます(歯の再石灰化)。
ところが、食べてすぐに歯磨きをしてしまうと、再石灰化が行われないうちに、ゴシゴシ表面を傷つけることになり、歯が削れやすくなってしまいます。
歯磨きで歯をダメにしないために
歯を健康にするための歯磨きで歯や歯茎を傷めてしまっては意味がありません。正しい磨き方を知っているかどうかで、歯や歯茎の状態に大きな違いが出てきます。具体的には上で挙げたような磨き方を避けていただくと良いのですが、もし、これまでに正しい磨き方のアドバイスを受けたことのない方は、ぜひ一度歯科でブラッシング指導を受けることをおすすめします。